賃貸対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー(CF)計算書
プロの読み方 応用編
企業を知るには、この3指標が重要となってきます。
契約担当者、株式投資する方は、最低限の相手の企業を知るべきと思われます。
このホームページは、簡単に企業価値を知るポイントをまとめましたので、いろいろな場面で利用してください。
私達は、株取引テクニック研究所として、20年間、株取引の研究をしています。
今回は、応用編となっていますので、基礎がわからない方は基礎編を先に読んでください。基礎編へリンク |
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1 資産の部
○資産の部は、Ⅰ流動資産、Ⅱ固定資産、Ⅲ繰越資産から成っている。
○流動資産は、1年以内に現金にできる資産。
固定資産は、現金化に1年以上かかる資産。
○注目は、流動資産合計、有形固定資産合計、固定資産合計、資産合計で、前年度の比較が重要
○有価証券は、1年以内に換金するもので、一時的なもの。
1年を超えるものは、固定資産の投資有価証券となる。
2 負債の部
○負債の部は、Ⅰ流動負債、Ⅱ固定負債から成っている。
○流動負債は、1年以内に支払う負債。
固定負債は、返済に1年以上かけれる負債。
3 純資産の部
○純資産の部は、Ⅰ株主資本、Ⅱ評価・換算差額等、Ⅲ新株予約権、Ⅳ少数株主持分から成っている。
○資本剰余金は、株式発行に利益剰余金は、配当に。
よって利益剰余金がないと配当はなくなったりする可能性があり。
利益剰余金がマイナスは、債務超過で倒産の可能性も
4 資産構成について(貸借対照表の読み方)
○貸借対象表の資産は、上から順番に容易に使える資産である。
逆に負債は、上から順番に早く返済する必要がある資産である。
5 その他重要事項
○損益計算書は、その期の損益のみで、年度の会社成績
○賃借対照表は、その時に会社ができてから、今までの財産
○売上の伸びよりも売掛金の伸びが早い会社は、代金回収のリスクが高まっている可能性も
○売上の伸びよりも買掛金の伸びが早い会社は、支払いを待ってもっている可能性も
○買掛金の額が減っているのは、取引先から信用を失っている可能性も
○売上の伸びよりも在庫の伸びが早い会社は、売れ残りが発生している。
○現預金の減少は、危険の第1歩
【チェックポイント】
○利益剰余金が豊富な会社が良好。マイナスは論外。
○長期負債を持っていない。
○売掛金、棚卸資産が大きい=黒字倒産も
○負債は、固定負債が多いほどまし。
○棚卸資産の増加に注意。
棚卸資産は、BSで、販売用不動産、未成工事支出金、製品等と記載されている場合もある。
在庫のことを仕掛かりともいう⇒当座比率をチェック
【重要用語】
○貸倒引当金:売掛金のうち、貸し倒れる可能性がある金額(有利子負債、回収不能金)を計上。
○償却:過去の支出を当期費用で計上
○引当金:将来の支出を当期費用で計上(貸倒引当金は、貸倒見込額を計上)
○純資産=純資本=自己資本=株主資本
○連結調整勘定:親子会社の資産差額
○為替換算調整勘定:為替差益、損失
○少数持分利益:親会社以外の外部の少数株主の利益
○売掛金:商品等を販売したときにその対価を近い将来。現金でもらう権利
○仕掛品:製造の途中にあるもの
○買掛金:商品等を購入したときの代金のうち、近い将来、現金で支払う義務があるもの
○資本剰余金:資本金に組み入れることができる。
○著しく時価が下落したとき、強制評価減をする。取得価格と比べて時価が50%以上下落した場合
○損益計算書で法人税等調整額を計上、賃借対照表で繰延税金資産に計上
【会社関係】
○子会社:持株比率で過半数が親会社(他人名義も含む)において所有している場合
○関連会社(持分法適用会社):持株比率がで20%以上50%未満の非連結子会社及び関連会社
○関係会社:子会社や持分法適用会社 のこと
*子会社は、連結財務諸表で計上。
関連会社(持分法会社)は、営業外損益に持分法損益として計上。
【危険信号】
○株主資本がマイナスになると、債務超過で倒産状態。3年続くと上場廃止。
○利益剰余金がマイナスになると倒産の第1歩。連結欠損金。配当もでません。
○売上高が落ちえてるときに売掛債権、買掛債務、棚卸資産がが増えている場合は注意。
○特に棚卸資産が多い場合には、当座比率をチェックすること。
1 利益の関係について
○売上原価は、材料費用。売上純利益は、売上高から売上原価を引いたもの。
○営業利益は、本業の利益で、損失分を除いた利益。
○支払い利息はマイナスの費用。
○経常利益は、本業以外も含む利益。
○粗利ー固定費=ゼロの売上水準が損益分岐点
○適切に減価償却をしていない会社は、設備の更新に対する手が打てていない。(信頼できない。)
○マイナスの費用:売上原価、販売費及び一般管理費、営業外費用、特別損失
2 特別利益と特別損失について
○特別利益は、当期だけの特別利益。一時的な利益のため企業価値の判断に入れない方がよい。
○特別損失は、当期だけの損失。
○貸倒引当金戻入益は、つけの回収のこと。
○固定資産除去損は、土地損、不動産損のこと。
○純利益は、マイナスの場合は純損失=赤字となる
3 まとめ
○営業外収益(+)、営業外費用(-)、特別利益(+)、特別損失(-)
○営業外収益の受取利息ー営業外費用の支払利息がプラスだと、金利が上昇したも問題が少ない。
○営業外費用に投資損失や為替差損に注目。これにより株価や円高等の影響が読める。
○昨年度と比較することが重要
○特別利益で、企業価値を判断しないほうがいい。
特別損失で経営を圧迫しないくらいなら、企業判断にしないほうがよい。
しかし、子会社の粉飾等で特別損失がとんでもない場合は、注視すること。
○その他の収益は注意。何かわからなくしている可能性がある。
○持分法による投資利益、子会社の持分利益に注目
【チェックポイント】
○持分法による会社の株の損益は、営業外損益に計上
○保有株が50%程度下落すると、減損処理で計上する必要あり。
○売買目的有価証券:損益として計上、その他有価証券:資本の部に直接計上
○固定費が多いと、最低必要な運転資金の額が大きく不況に弱い。
売掛金+在庫ー買掛金=必要な運転資金の額
○簡単な企業の判断は以下のとおり
|
営業CF |
投資CF |
財務CF |
|
優良企業 |
(+)本業が順調 |
(ー)事業拡大の投資活発 |
(ー)借入金の返済が活発 |
完璧な優良企業 |
積極投資企業 |
(+)本業が順調 |
(ー)事業拡大の投資活発 |
(+)借金増加 |
|
倒産企業 |
(ー)本業が不振 |
(+)投資が停滞 |
(+)借金増加 |
|
資金困難企業 |
(ー)本業が不振 |
(ー)事業拡大の投資活発 |
(+)借金増加 |
|
安全志向か経営不振 |
(+)本業が順調 |
(+)投資が停滞 |
(ー)借入金の返済が活発 |
資産を売却し、借金返済 |
倒産予備軍 |
(ー)本業が不振 |
(+)投資が停滞 |
(ー)借入金の返済が活発 |
資産売却し、社員返済 |
*フリーキャッシュフロー「営業CF」+「投資CF」がプラスだとよい。
*「営業CF」+「投資CF」+「財務CF」がプラスだと、「現金・現金等価物の期末残高」が増加で更によい。
*財務CFが営業CFより極端に大の場合は危険な企業。
*営業CFがマイナスだと、本業が不振でよくない。
○営業キャッシュフローを読み解く
○営業CFがマイナスだと、利益がプラスでも危険。
○減価償却費などの実際にキャッシュが出ない費用は、プラスにする。
○棚卸し資産や売り上げ債権の増加はマイナスにする。
○営業利益がプラスで、営業CFがマイナスの場合、どこかがおかしい。
→賃借対照表で確認すること。
・売掛金が増加(売ってお金が入らない?)
・買掛金が減少(信用されてなく、つけができない?)
・返品の増加(返品や棚卸が増加?)
○投資キャッシュフローを読み解く
○投資CFがプラスなのは、資金調達が悪く、資産を処分させられたり、投げ売りしてないかチェックを
○工場等の設備投資はマイナス。設備の売却はプラス。
○投資有価証券の取得はマイナス。売却はプラス。
○営業CFがマイナスで、投資CFマイナス、財務CFがプラスは非常にやばい。
○財務キャッシュフローを読み解く
○借入金や社債の増加はプラス要因。返済はマイナス要因。
○自己株の取得や配当金の支払いはマイナス要因。
○財務CFがプラスは、資金調達が順調な証拠であるが、銀行依存の可能性がある。
○財務CFがマイナスなのは、資金の返済が順調か金融機関に見放されているか。
○フリーキャッシュフロー
○営業CFと投資CFを加えたもの。
○プラスなら、自由に使えるお金が増えるので、望ましい。
○キャッシュフローを読み解くのが重要
○上級編の企業の判断は以下のとおり
1 優良会社
|
計算 |
合計 |
営業CF |
A |
100 |
投資CF |
B |
-60 |
フリーキャッシュフロー |
C=A+B |
40 |
財務CF |
D |
|
借入金の増加 |
|
0 |
借入金の返済 |
|
-30 |
キャッシュの増加額 |
C+D |
10 |
2 標準的な会社
|
計算 |
合計 |
営業CF |
A |
30 |
投資CF |
B |
-50 |
フリーキャシュフロー |
C=A+B |
-20 |
財務CF |
D |
|
借入金の増加 |
|
40 |
借入金の返済 |
|
-10 |
キャッシュの増加額 |
C+D |
10 |
3 赤字の会社
|
計算 |
合計 |
営業CF |
A |
-10 |
投資CF |
B |
-20 |
フリーキャッシュフロー |
C=A+B |
-30 |
財務CF |
D |
|
借入金の増加 |
|
20 |
借入金の返済 |
|
-10 |
キャッシュの増加額 |
C+D |
-20 |
1 キャッシュフロー全体の留意事項
○棚卸資産は、在庫が減少すればプラス
○売掛勘定は、増加分がマイナス
○買掛勘定は、増加分がプラス
2 キャシュフロー計算書の事例
|
95年3月 |
純利益 |
200 |
減価償却費 |
100 |
子会社株式売却益 |
-50 |
その他 |
-50 |
営業CF合計A |
+200 |
設備投資 |
出100 |
投資 |
出300 |
貸付 |
出100 |
企業買収 |
出100 |
子会社株式売却 |
入100 |
その他(同) |
入100 |
投資CF合計B |
-400 |
A+B=C *プラスがよい |
-200 |
短期債務 |
出100 |
長期債務 |
入200 |
配当金支払い |
出100 |
自己株式買取り |
出200 |
株式発行 |
入200 |
その他 |
出100 |
財務CF合計D |
-100 |
外国為替による影響E |
-100 |
C+D+E *プラスが理想 |
-400 |
現金・現金等価物の期末残高 |
1347.5 |
*現金・現金等価物の期末残高1347.5=昨年度残高ー400
【貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の関係】
→<貸借対照表>の<流動資産>の<現金及び賃金>の根拠
→<キャッシュフロー計算書>の<現金及び現金同等物の期末残高>と一致
→<キャッシュフロー計算書>の<営業キャッシュフロー>の<当期利益>と<損益計算書>の<当期利益>が一致
【重要】プロの投資方法~投資してもよい企業の見分け方~応用~各種指標~ |
【最低限○番はチェックする必要あり】
① <正味運転資金>=<流動資産>ー<流動負債>
【解説】正味運転資金がマイナスの会社は、要注意。通常の事業活動で運用される資金
② <株主資本当期純利益率(ROE)>=<当期利益>÷<株主資本>×100
【解説】10%以上が投資の対象。優良企業は、20%以上
*財務諸表に記載がある。
③ <総資本経常利益率(ROA)>=<経常利益>÷<総資本(総資本:資産合計)>
【解説】製造流通の適正値5%以上・サービス業の適正値15%以上
*財務諸表に記載がある。
④ <売上高経常利益率>=<経常利益>÷<売上高>×100%
【解説】5%以上
*財務諸表に記載がある。
⑤ <自己(株主)資本比率>=<自己資本>÷<総資本(総資産)>×100%
【解説】30%以上で安全。50%以上で優良。高いほど健全。10%以下は倒産可能性大。
*財務諸表に記載がある。
⑥ <流動比率>=<流動資産>÷<流動負債>×100%
【解説】200%以上が理想。130%以上が標準
⑦ <当座比率>=<当座資産(流動資産ー棚卸資産)>÷<流動負債>×100%
【解説】120%以上が理想。最低でも90%以上は必要。80%以下は要注意。
<要注意>現金及び預金が短期借入金より少なく(同じぐらいで)、経常利益がマイナスなら倒産の可能性もある。
<棚卸資産>:商品、仕掛品、製品、材料、貯蔵品、販売用不動産、未成工事支出金等
⑧ <フリーキャッシュフロー>=<営業活動によるキャッシュフロー>+<投資活動によるキャッシュフロー>
【解説】フリーな現金(+)は、債務返還、株主還元の原資となる。(-)の場合は、資金取崩、借金、増資等を実施
⑨ <PER>=<株価>÷<1株当たり利益(EPS)>
【解説】20が標準。それ以上は割高。それ以下は、割安。
⑩ <PBR>=<株価>÷<1株当たり純資産>
【解説】1以下は、割安。
⑩ <固定長期適合率>=<固定資産>÷(<株主(自己)資本>+<固定負債>)
【解説】100%を超えると危険
11 <配当性向>=<配当金>÷<当期純利益>
【解説】あまりに高い、低いは問題。特に配当性向100%を超えている場合は、内部留保を取壊している。
12 営業CF対流動負債比率=営業キャッシュフロー÷流動負債×100%
【解説】100%以上であれば、長期負債も返還できる。
13 債務償還年数=有利子負債(短期+長期負債)÷営業キャシュフロー
【解説】5~6年が健全ですが、15年を超えると危険な会社
14 固定比率=固定資産÷株主資本(自己資本)×100%
【解説】100%以下が理想。200%を超えると危険。
15 棚卸資産回転率=売上高÷棚卸資産
【解説】製造業12回以上、流通業20回以上が適正。危険は、製造業6回転以下、流通業10回転以下
16 流動資産回転率=売上高÷流動資産
【解説】適正:製造業12回転以上、流通業20回転以上 在庫過剰:製造業6回転以下、流通業10回転以下
16 自己資本回転率=売上高÷自己資本
【解説】5回以上が良好
【私の考えた特殊な手法】
私が使用している特殊な手法です。
参考にしてください。
1 利益剰余金率=利益剰余金÷負債純資産合計×100%
・10%以上が投資対象。
・50%以上は、非常によい。
【解説】利益剰余金は、会社の余裕金であるので、多いほどよい。
【その他重要事項】
○無形固定資産=ブランド、人材は、どのシートにも値とならない。
○利益剰余金は、利益留保で多いほどよい。年間にも増えるほうがよい。マイナスは論外。
○外資が狙う会社は、①自己資本比率が高く②ROEが低く③キャッシュフローが良好な会社
【株関係の税金】
○ETF投資信託
配当:源泉徴収 売却益:源泉徴収
○外国債券
配当:源泉徴収 売却益:雑入
○FX
配当:雑入 売却益:雑入
【会社の異常の見つけ方】
○売上高減少⇒売掛金減少が通常だが、このバランスがおかしいと、異常がある。
○借入金残高減少⇒支払利息減少が通常だが、このバランスがおかしいと、異常がある。
○財務諸表の主記表と追加情報には重要なことが記載している。
【連結株主資本等変動計算書】
○自己株式:マイナスを記入
○自己株式を処分:プラスを記入
○自己株式を取得(自社株買い):マイナスを記入
【債務履行の格付】
AAA⇒A⇒BBB⇒B⇒CCC⇒Cの順番。BBBまでが安全で投資対象。
格付一覧は、格付投資情報センターのHPで。
<まとめ応用編 3諸表を年度比較しよう 粉飾の可能性も踏まえて>
○売上げが変わってないのに、売掛金や在庫が増えていたら何故?
○売掛金と在庫の合計以上に買掛金が多いのは、売ってお金になったのに払っえない?
○固定資産は、何もしないと減価償却費で減るのが普通。固定資産が増えたり、減ってる理由。
○長期借入金が減って、短期借入金が増えていたら、銀行の回収の前触れ?ただし、短期が減ってそれだけ、在庫か売り掛けが減っていたら、それは正常。
<やってはいけない株の教訓と秘訣>
○信用売り、信用買いも逆金利がかかります。
もっているだけで、お金が毎日なくなり、毎日がどきどきで仕事も手につかず、夜も寝れません。
株は、現物でしましょう。現物であれば下落してもおいておけば問題ないです。
また信用をして、その本人に何かがあったり、パソコンが壊れて取引ができなくなれば、
その期間、ずっと金利を払う必要があります。
また逆の方向に行き、とんでもない損害を被るかもしれません。
よって、信用よりも現物で、しかも経営分析を行って安定したところを現物で長期持つのが
必勝の秘訣です。現物で持てば、配当も優待も入ってきます。
信用だと金利を払う必要があります。
ぜひ皆様も現物+経営分析を怠らず、株の収益の向上を図ってください。
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